定演ステージ紹介 ~第1ステージ・自戒~

こんにちは!テナーの太郎です。

今回からは、いよいよあと1ヶ月に迫った、第9回定期演奏会(5/20、みんな来てね!)の各ステージを紹介していきたいと思います!!!

 

 

本日は、第1ステージの紹介、ということで、第1ステージでの演奏曲

混声合唱とピアノのための組曲『自戒』

(吉原幸子/詩、面川倫一/曲)

を紹介していきます。

 

 

この曲集は全3曲の構成で、第1曲『まぶしい朝』は昨年度(第70回)全日本合唱コンクール・混声合唱の課題曲の1つ(G4)として注目を集めました。(あい混もコンクールで歌いました。その時の動画はこちら!)

 

曲はテノールのパート・ソロによって始まり、

「白い朝 はく息の白い朝 / 松の葉のまつげにたまった露の 白い朝…」

と、寒い冬の日の朝の、障子を開けて眼前に広がる光景がありありと浮かんでくるかのような描写がなされていきます。

 

曲は、現実の風景なのにもかかわらずどこか幻想的な雰囲気も感じさせる詩に寄り添うかのように構成され、ほぼ一貫してGes-durの調性です。

 

 

第2曲『むじゅん』は、スローテンポの美しいアカペラ。多くの音楽家によって作曲されている有名な詩で、一貫して歴史的仮名遣いのひらがなで書かれています。

 

吉原幸子さんの詩には、愛と憎しみ、美と醜、生と死などの相反する概念を、鋭く時に生々しくも感じられる言葉を使って紡がれているものが多くあります。この作品も同様で、前半は死期を悟った「わたし」が世界の美しさを名残惜しく語りますが、後半は「しゆうまつ(終末)のはなび」「いしのはへん」「くろいゆき」などの言葉が登場します。

 

自身の幼き頃の戦争の記憶が喚起され、それから長い時が経ち、老いた詩人が平和な未来を希求する・・・あらゆる対比が効果的に使われ、詩がそのまま心に突き刺さってくるような感覚に襲われます。ぜひ一度、詩にも目を通していただきたいと思います。

 

曲自体は、第1曲と第3曲をつなぐ間奏曲のような役割をも果たしています。

 

 

第3曲のタイトルは組曲名の『自戒』。それまでの2曲の雰囲気とは一変、歌い出しから無調の雰囲気が漂います。

 

異なる2パートの組み合わせが歌詩を歌いつないだかと思うと、アドリブにも近いようなピアノ・ソロが登場。その余韻の中からコーラスが再び現れ、唐突にアップテンポとなり突き進んでいきます。そこからは冒頭と同じような荘重なテンポと、せき込むようなアップテンポが交互に繰り返され、最後は心残りを残したような感じで静かに曲が閉じられます。

 

 

この作品について、言葉で色々と語るのはこのあたりにしておきましょう。

今このブログをご覧の皆さん、ぜひ実際に会場に足をお運びいただき、この素晴らしい曲集を耳で、体で味わっていただきたいと思います!(^^)

(その他、詳しい情報は「演奏会情報」をご覧ください!)

 

第9回定期演奏会のステージ紹介はこの先も続きます。どうぞお見逃しなく!